最後の一夜が授けた奇跡
なるべく安静に過ごしながらも、仕事できっと疲れて帰ってくる律樹に何かしたいと、回数を分けて家事をして過ごす。
洗濯や掃除をするときも極力お腹に負担をかけないように気遣った。

慣れない動きと気遣いになかなか効率があがらず、結局夜になっても簡単に掃除をしたのと、洗濯物を済ませる程度で、食事はかなり簡単なものしか作れなかった。

昨日よりは早く帰宅した律樹。
帰宅する前に何か必要なものはないかと連絡をくれた。

私は必要なものはないと言ったけれど、結局律樹は次の日も深夜まであいているスーパーで買い物をしてから帰宅した。

「シャワー浴びてるときに結構体に負担かかるだろ?」
そう言って大きな袋を持ち帰った律樹。
いろいろな場所で座ることができるように、簡易的な椅子を買ってきてくれたらしい。

仕事中もきっといろいろと考えてくれている律樹に感謝しながら、昨日よりも疲れた顔をしていることが気になった。
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