最後の一夜が授けた奇跡
「お待たせしました」
入り口で頭を下げてから理事長の前にお茶を出す。

理事長はそのお茶を一口飲んだ。

私は律樹の前にはコーヒーを出す。

「ありがとう、ごめんな。」
「うんん」
律樹は申し訳なさそうに、私に座るように促した。

「大丈夫か?」
私の方を見て声をかけてくれる律樹。
「うん。ありがとう。」

そんな私たちのやり取りを理事長はため息をつきながら見ていた。
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