最後の一夜が授けた奇跡
理事長の言っていることはわかる。

私たちの思いだけで、勝手だけで進められない。

【ASAKAWA\】に関わる全ての人に、【ASAKAWA】に関わってきたすべての人に、無責任に背を向けて進められる話ではない。

「理事長として、決断する必要がある。」
その言葉に一瞬で全身が緊張した。

息をのみ律樹を見ると律樹も同じように息をのんでいる。

「石川財閥の出方次第だが、律樹。」
「はい」
「お前の社長としての素質は認める。でも、結果をのこせないと見込んだ時はお前を社長の座から降ろす。」
「・・・はい」
二人のやりとりに私は思わず口を出そうとしてしまう。
< 228 / 500 >

この作品をシェア

pagetop