最後の一夜が授けた奇跡
「ならば私をがっかりさせない結果を二人で出しなさい」
「・・・」
返事ができない私に代わって律樹が返事をする。

「私の話は以上だ。毎週、社の状況は秘書課の主任から報告させる。」
「はい」
理事長はそう言って立ち上がった。

「籍を入れたら報告しなさい」
「はい」
私たちに背を向けながら理事長は言った。

結婚を許された私たち。




でもこれは終わりでも結末でもなく、まだ始まりなのだと思い知った。
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