最後の一夜が授けた奇跡

第3章 ～さようならを告げる時～

朝起きてカーテンを開ける。
まぶしすぎる朝。

でも、何かやっぱり違和感を感じる。

何かが変わってしまった・・・。

私はあまりにまぶしくて少し涙が出そうになり、開けたばかりのカーテンをそっと閉めた。

今の私には朝日すらまぶしすぎる。


カーテンを閉めてふと部屋の中央にあるテーブルが目に入る。

そこには採用通知書。

いよいよ、律樹と本当に離れる日が近い。

夕べ遅くまでかかってかき上げた辞表を私は仕事用のバックに入れた。