最後の一夜が授けた奇跡
こんなこと生まれて初めてだ。

季里の命も、まだ生まれていない子供の命も、俺のこの手が握ってしまっているような感覚に、恐怖を感じる。


守るなんて言っておきながら、俺はなんてちっぽけなんだよ・・・


一度ギュッと自分の手を握り目を閉じる。


自分にばかやろうと言ってから、俺は深呼吸をしてもう一度ペンを握った。




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