最後の一夜が授けた奇跡
ここで俺がしっかりしないとならない。

俺は携帯を取り出して理事長に連絡をした。

停電の経過も含めて報告をしてから俺は理事長に頼んだ。
いや、違う。

俺は生まれて初めてくらい久しぶりに・・・

親父に頼んだ。


「今は妻のそばにいたいんです。申し訳ありませんがデパートのことをお願いしてもいいでしょうか。」

病院のロビーで俺は携帯を強く握り親父に言う。
その声は自分でもわかるくらい震えていた。

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