最後の一夜が授けた奇跡
律樹は片手で私の手を握り、もう片方の手で頭を撫でる。

「俺たちの奇跡は今、頑張ってくれてる。」

どういうこと・・・?


でも、今はまだ大丈夫ということ?


表情で律樹に伝えようとすると律樹は穏やかに微笑んで私を見つめる。


「俺たちの奇跡、守ってくれてありがとう。」

その言葉に私は涙があふれて止まらなかった。


泣き続ける私を律樹はそっと慎重に抱きしめるように体を近付ける。
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