最後の一夜が授けた奇跡
「怖かったろ。痛かったろ。不安だったろ。ごめんな。」

耳元でそう言われて、私は一気に張り詰めていたものが切れるように安心感に包まれた。


次々に涙があふれて、声をあげて泣く私に、律樹はなだめるように肩をさすってくれた。



「ちゃんといるよ。俺たちの奇跡は。まだ、季里のお腹に。」


大きな安心と、喜びに、私はしばらく涙が止まらなかった。
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