最後の一夜が授けた奇跡
とりあえずガラスをどうにかしないとならないと私は一番ガラスが散乱している場所へと靴のまま進んだ。

ひときわ大きなガラスの破片に手を伸ばした時に、ひどく自分の手が震えていることに気が付く。

怖かった・・・うんん、まだ怖い。

私、一人なんだ。

そう実感しながら、破られた窓から風が吹き込み、カーテンがバサバサと音を立てている方を見た。

自然と涙があふれてくる。

私は自分の両腕で体を抱きしめるようにして、震えを止めようとした。

でも思うように震えを止められない。
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