最後の一夜が授けた奇跡
皆、きっと私になんと話しかけたらいいかわからないんだと思う。

あたりまえだ。

私は自分の机からバックを手にしてもう一度頭を下げた。

残りの荷物もほとんどない。

残りは処分してほしいと後から言えばいい。


深く深く頭を下げてから私は秘書室から出た。

もしかしたらエレベーターを使うとほかの社員に会うかもしれない。

今は・・・早く一人の場所に行きたい。


私は秘書室から出てすぐに非常階段への扉を開けた。
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