シュンの恋外伝2
山田恐怖する。
「やっぱり、おかしい!」
(まさか…)
メグミは、席を立ちシュンを探しに教室を出た。
シュンは、少し早足で園芸倉庫に向かっていた。
(さて、とりあえずメグミは誤魔化せたかな?)
山田は、3年2組の前方の入り口を開けて頭だけ教室に入れてリエを探した。
(微妙に尻をフリフリしながらキョロキョロしている。)
「あれ〜〜居ないなぁ〜」
メグミは、廊下に出て辺りを見回した。
(シュン君は・・・)
「早っ!」
3年1組の教室は3階の1番奥に位置するので階段まで距離があった。
「あ〜やっぱり、居ないな〜」
(?山田君がキョロキョロしてるなぁ〜)
メグミは、微妙な格好でリエの教室の中をキョロキョロと覗きながら挙動不審な動きをしてる山田に声をかけた。
「山田君・・・」
「あっ・・・めっメグミさん」
「なに、してんの?」
「あっ、いやっ、あの〜りっ、リエさんを探しているんだけど・・・」
(山田君、なにキョドってんだろ)
「リエ、居ないの?」
山田は、冷や汗かきながら答えた。
「あ〜いないみたい」
メグミは2組の教室に入り、リエの友人に聴いてみた。
メグミ「リエ何処に行ったか知らない?」
友人「さぁ〜給食の時間終わったら速攻で出て行ったよ」
メグミ「そう・・・何か言ってた?」
友人「あ〜何か、たまんないわ〜みたいな事をブツブツ言ってたけど」
メグミ「そう、ありがとう」
(たまんないわ〜ですって!絶対何かある!)
メグミは、友人にそう言って山田の方に近いた。
「山田君!」
メグミは、少し大きな声で名前を呼んだ。
山田は、顔を引きつらせて一歩後ろに下がった。
メグミは優しく(優しくなのか?)睨みつけながら山田に詰め寄って制服の胸元を掴んだ。
「はっ、はい!」
(なに・なに・なに・なに)
山田は、更に一歩後ろに下がる。
「あっ、あっ」
メグミは、鋭い眼光で山田に詰め寄る。
「今日は、シュン君と何をコソコソしてたの!」
「あっ、いや〜その・・・」
「言えないの!」
「あっ、あの〜ですね」
メグミは山田に更に詰め寄る。
『ズイッ!』
山田は、廊下の窓に背中が当たった。
「シュン君と、な、に、を、は・な・し・て・た・の!」
(こっ、こえ〜〜)
近くにいた生徒達は、山田とメグミの様子を黙って見ていた。
山田は生唾を飲み込んだ。
「うん、シュンにリエさんと昼休みは一緒に居てくれと頼まれて・・・」
「ふ〜ん・・・」
「うっ、嘘じないよ!」
「ふ〜ん、他には!」
(いや、その、ふ〜んって・・・)
メグミは胸元を掴んだ手に更に力を込める。
『ギュ〜!』
「あっ、何か・・・」
「何か、何!」
(こえぇ〜ちょ〜こえぇ〜)
「あっ、リッ、リエさんを足止めとか何とか?」
山田がタジろぎながら答えたらメグミは胸元から手を離した。
「そう・・・」
メグミは、階段に向かい歩きだした。
山田は、ヘナヘナと尻を下ろした。
(ヤベェ〜少し出ちゃった)
山田は、半ベソをかき余りの恐怖に少しチビっていた。
「こっ、怖かった〜〜」
何故か、ブサ面ファイブの一人が山田の肩を何も言わず優しく叩いていた。
『トン♪トン♪』
「・・・・」
(シュンは、何時も、あの恐怖に耐えているのか)
「シュンって・・・やっぱ凄いな・・・」
その山田の呟きに、近くにいたた生徒達は全員頷いた。
『うん、うん』
・・・終わり・・・