ブラインドネス・シンドローム

どうしたらこの場を落ち着かせられるか考えていると、ベッドの端に座っていたであろう先生がゆっくりと寝ている私に顔を近づけてくる。


「先生、どうしたんですか」

「どうもしないよ」

「でも、普段と違います」

「それは千鶴さんも同じだよね？」

「え……？」


先生が一体何が言いたいのかよく分からずにいると、重たいため息を着いて私から離れていく。

それがあまりにも冷たい空気を纏っていて、私は思わず体を起こした。


「先生、ごめんなさい」

「……」

「無理して、倒れちゃって……迷惑かけて本当にごめんなさい」


離れていく先生をどうしても繋ぎ止めておきたくて、必死になって謝罪する。

こうでもしないと本当に先生が離れていきそうで怖くて怖くて堪らない。