七色の魔法使い~冬に溶けた涙~
僕は、その魔法円に飛び込む。次の瞬間、僕の視界は光に包まれた。

光が収まると、僕は館の部屋に浮いた状態でいて、僕はストンと床に着地する。

服は、前に僕が着ていたローブ。フォルトゥナに来た時は、この服に変わるみたい。

僕のローブに巻かれてる白いリボンのところには、僕が魔法で作り出した刀を差してる。いつでも戦いやすいように。

「……あれ……?」

いつもの部屋じゃなくて、僕は違う部屋に来てしまったみたい。辺りを見渡していると、椅子に座っていたアイビーが顔を上げて僕を見た。

「……僕が、冬都をここに導くように魔法をかけました」

アイビーは椅子から立ち上がると、僕を見つめる。

「……冬都……あなたは、なぜ皆さんと話そうとしないのですか?基本、あなたはこっちから話しかけないと話しませんよね」

「……」

僕はアイビーの言葉に、何も言えなくなった。僕だって、皆に話しかけたいよ。でも、それが出来ないんだ……怖いから。

「……アイビーには、関係ないでしょ」

「そんなことはありません。話したら、結構楽になりますよ?」

「……そうかもね。でもね……僕は、それを誰かに話す気は無い……僕に味方なんて、いるはずがないから」
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