七色の魔法使い~冬に溶けた涙~
「……分からない。行ってみよう」

僕が言うと、輝一は頷いて魔法で作り出した杖を握り締める。

僕らは同時に館を飛び出すと、音がした方に向かって走り出した。館の近くには妖魔がいて、その妖魔はアイビーを見据えてる。

「……」

僕は刀の柄に手を掛けて、アイビーと妖魔の様子を見た。

妖魔が動くと同時に、僕は強く地面を蹴って妖魔に斬りかかる。妖魔は、地面に着地すると僕の方を向いた。

「……っ!」

妖魔は素早い動きで僕に近づくと、僕を吹き飛ばす。僕は、近くの木に叩きつけられた。

綺麗に地面に着地して、刀を構え直す。妖魔に向かって、光のレーザーが飛んで行った。

輝一は杖先を妖魔に向けてて、僕の方を見ると微笑む。

「……2人とも、ありがとうございます」

僕の隣に並んだアイビーは、杖を剣に変えた。

「冬都、輝一……行きますよ!」

アイビーは剣を構えると、走り出す。僕は輝一と顔を合わせると頷いて、アイビーの後を追いかけた。

アイビーは正面から妖魔に斬りかかって、僕は妖魔の背後に回り込む。地面を強く蹴ると、妖魔を斬りつけた。

次の瞬間、妖魔は消えていって、僕とアイビーと輝一は顔を見合わせると同時に微笑んだ。
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