七色の魔法使い~冬に溶けた涙~
僕は放課後になり、雪の降る道を歩いていた。
「……お前、冬都……だよね?」
空から誰かが僕の目の前に着地する。僕の目の前に着地したのは、僕がフォルトゥナで良く一緒に行動する輝一だった。
「……輝一……?」
「正解!お前、こんな寒い町に住んでるんだね……」
笑った輝一は、空を見上げた。
「……そう?」
「俺の住んでる町は、あまり雪って降らないからな。降ったとしても、粉雪が多いんだ。こんな感じの雪が降っただけで、皆騒ぐよ」
輝一は、そう言って僕を見つめる。
「……そうなんだ」
そう返して歩き出そうとすると、近くから悲鳴が聞こえてきた。
「……冬都……嫌な予感がする」
それだけ言って、輝一は走り始める。僕は、無言で輝一の後を追いかけた。
「……っ!」
悲鳴がした場所に来てみると、大きな妖魔が人を襲っている。
「……妖魔が……」
「え!?何が起こったの!?大丈夫!?」
「だ、誰か!!」
皆は、妖魔に目もくれずに倒れている女性に近づいた。……もしかして、妖魔の姿が見えてない……のか?
「と、とりあえず妖魔を……!」
そう言って走り出す輝一の腕を、僕は掴む。
「冬都、何するの!?このままじゃ……」