翠玉の監察医 零度の教室
「生者は嘘をつきます。しかし、死者は真実しか話しません。誠さんは必ず真実を教えてくれます」

蘭と圭介は校長室をあとにする。そして、誠が自殺をした教室へと向かった。



三年生の教室に蘭と圭介は向かう。見知らぬ二人の姿に廊下にいる生徒たちがヒソヒソと何かを話している。

「俺たち、不審者みたいですね」

居心地の悪さを圭介は感じる。しかし、蘭は何も気にしていないように無表情のままだ。

「ここが誠さんが亡くなった教室ですね」

蘭は三年一組の教室を見つけると、躊躇うこともなくドアを開ける。ドアを開けると多くの生徒の視線が蘭たちに集まった。

「あなた方は誰ですか?」

女子生徒の一人が訊ね、蘭は自己紹介をする。そして世界法医学研究所の監察医だと名乗ると驚いていた。

「監察医が何の用です?」

蘭と圭介の前に、チャラチャラした雰囲気の三人が姿を現す。圭介が「誠さんの死因を調べに来ました」と真面目な顔で言うと、三人はゲラゲラと笑い始めた。
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