翠玉の監察医 零度の教室
「アイツ、勝手に死んだんだろ!?」

「それをわざわざ調べるとか!!」

笑い続ける三人に対し、圭介は「君たちのクラスメートが自殺したんだよ!?」と怒鳴る。他のクラスメートは俯くが、三人だけは笑い続けていた。

「深森さん、調査を始めましょう」

蘭は静かにそう言い、誠が首を吊っていた場所を観察し始める。その時、視界の端にやけに真新しい机を見つけた。机の上には花が飾られている。

「これは誠さんの机?」

圭介が訊ねると、「そうです」とクラスメートが頷く。蘭はその机をジッと見つめていた。

「ロッカーも調べさせていただきます」

誠の教科書などがしまわれているロッカーを蘭は開ける。すると、そこには真新しい教科書が綺麗に並べられていた。

「これは……」

圭介が言葉を失う。その後ろであの三人が「な?何もないだろ?」と笑っていた。

「確かに、何もありません」

蘭はそう言い教室を出て行く。圭介は「待ってください!」と後を追った。
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