翠玉の監察医 零度の教室
「俺、黒咲(くろさき)ユキト。将来は親の会社を継いで社長になる人間さ」

「俺は桜翔馬(さくらしょうま)」

「俺は玉野建(たまのたける)」

「名乗っていただき、ありがとうございます。ではこれで」

蘭は無表情のまま言い、三人から離れようとする。しかしユキトに蘭は腕を掴まれ、壁に押し付けられる。

「お、おい!」

圭介は止めようとするが、「騒ぐなよ、お兄さん」と翔馬と建に圭介は腕を掴まれて動きを封じられる。

「は、放せ!!」

圭介はもがくが全く解けない。蘭はユキトに壁に押し付けられ、ニヤニヤと見下ろされている。

「離してください。私も深森さんも忙しいので、早く研究所に戻らなければならないのです」

蘭はそう言うが、ユキトは蘭の前に立ち塞がったままだ。ユキトはニヤニヤしたまま蘭の体に触れ始める。

「何してるんだ!!」

圭介は怒鳴るが、ユキトは蘭に触り続ける。蘭は無表情のままユキトを見ていた。
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