君中毒-Another Stories-



「―…瑛ー未ちゃん!」


「あ、夏生くん。あれ…勇雅くんと一緒じゃないの?」


「うん。隣いい?」



ある日の昼休み。


勇雅がいない隙を見計らって、オレは瑛未ちゃんの隣をゲット。


―…はは、悪いな…勇雅。


「ね、瑛未ちゃん。手繋ご?」


オレはさりげなく、なおかつ淡々と手を差し出した。


「…何で?」


「心理テスト。手の握り方でSかMか分かるってゆーじゃん?」



…本当はそんなの全然知らないんだけど。


ひなのがオレが雑誌読んでる横で勝手にやってただけなんだけど。


…でも嫌なら、ここで拒むはずだしね。


拒まれなかったら、オレの勝ちってこと。




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