君中毒-Another Stories-
「―…夏生くんって、見た目とか手の感じがチョコに似てると思うの。」
「…へ、へぇー」
見た目が犬に似てるなんて初めて言われた。
悪いけど、一応167センチだしあんなに足短くないし!
目標は170センチ越えだからまだまだ伸びるしね!
他にも手の平に肉球とか普通についてないし!
そう思っていながらも、分かりやすくへこむオレに瑛未ちゃんからのとどめの一言。
「でも、雰囲気はゆいみたい。」
――…女かよ!
もう性別すら違うし。
「……なんか―…」
「心理テストの診断結果。」
瑛未ちゃんの言葉を遮ってオレは黒い笑顔で笑う。
「―…ドS。じゃあね!」
「え?あ…夏生くん!?」
オレは瑛未ちゃんに背を向けてすたすた歩き出した。
…むかつく。
瑛未ちゃんは勇雅だけが男だって思ってる。
……そんなのかなり悔しいから、絶対勇雅よりモテる男になるって誓うけど。
*おまけ*
《その頃の瑛未》
―…ドS、かぁ……
夏生くんがチョコみたいにふわふわって言いたかっただけなんだけどなぁ…
…夏生くん、頭いいから多分伝わったんだよね?(←全然伝わってない)
《その頃の勇雅》
「夏生ー瑛未、知らん?」
「知らねぇ!」
「…何、怒ってんの?」
「怒ってねーよ!黙れ、ドM!!」
「はぁ!?意味分かんねーよ、お前!」
―…それから1週間、夏生が瑛未と口を聞くことはなかったという……
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