君中毒-Another Stories-



「…ゆ、ゆいはミユちゃんじゃないよ!!」



気付くと、ゆいは立ち上がってオタクさんたちに叫んでいた。


……なのに。



「そーそー♪ゆいはオレの彼女だからね。」


「…え?」



隣にいたスーツの人が、ゆいの許可なしで話を進める。



「…この子、侑次(ゆうじ)さんの彼女なんですか?」


「そ。可愛いっしょ?」



…ゆうじさん?


……彼女?



「じゃ、オレは彼女連れて帰るから。」


そう言って、ゆいの腕を引いて歩き出す…侑次さん。



そのまま、侑次さんのらしい車に乗せられてしまった。



「…さっきはごめんね?」


車を運転する侑次さんの横顔が少しだけ、力なく笑う。



「……あ、い…いや…」


「でも、正直オレもびっくりしたんだよね。」



そんな言葉とともに、車がどこかの建物の前で止まった。




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