君中毒-Another Stories-
「…担任が今から小屋の掃除してこいってさ。」
「……………わかった。」
本当は絶対分かりたくないけど!!
私は渋々、自分の席から立ち上がった。
「…………………」
「…………………」
飼育小屋までの道のり。
―…会話もなし。
あーあ……
そもそも私、くじ運悪いのかも。
普通、担任も面倒くさいからってあみだくじで決めないでほしい。
立候補制にしてほしかったな。
「―…福永瑛未、危ない。」
「……へ?」
―――ボコン
背中に何かが当たって、鈍い音がした。
…じ…地味に痛い……
「福永さん、ごめんねー」
ひとりの男子がへらへら笑いながらボールを取りにきた。
……だから、男の子ってあんまり好きじゃないんだよ……
.