青春ゲシュタルト崩壊



 自分の顔が見えなくなった。

 指先で触れてみれば目も鼻も口も存在しているのに鏡や写真越しに自分を見ると、のっぺらぼうが写っていた。自分がどんな顔だったのかすら思い出せない。


 家族も友人も普段通りに私に声をかけてくる。変わったのは私から見た自分だけで、彼らの瞳に映る私は変化などないようだった。



 ————私は、完全に自分を見失ってしまった。




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