幸せアプリ
「なんか、学校の帰り道に襲われて顔も身体もぐちゃぐちゃで、意識不明らしいよ。
まじ、怖くない?
まあ、エミ可愛いから仕方ないけどさ」


エミは、可愛くスタイルが良い。

可愛くスタイルが良いーー?



私は委員長を見た。




パッ、としなかったはずの委員長。
突然可愛くなり、スタイルまでよくなった。

それって1ヶ月前じゃ無かっただろうか。



ただの偶然?

「ねえ、アミ。
あのアプリって、普通のアプリだよね?
ヤバいやつじゃないよね?」



急に不安になる私。


ぐちゃぐちゃに暴行され意識不明のエミ。



まるで別人の様に変わった委員長。


偶然ーー?



「考えすぎだって!
あれは、まじで幸せになれるアプリなんだって!私もリサも、幸せじゃん。
万札がたくさん出てくる財布ある。
なーにも不安なんかない!!
周りを見なよ!

みんな、幸せじゃん?」


周りを見たらみんなスマホスマホ。

授業中でさえ、スマホ。

依存症になりつつあるこの世界。

先生ですら、知らないフリ。


「ーー私の気のせいならいいけど」




そんな呟きは、誰にも聞こえない。

< 7 / 40 >

この作品をシェア

pagetop