小動物な後輩君の愛が深すぎる
「ふぅ、少し休憩しようか」
「はいよー、サンキュー」
昼食を挟み、勉強すること3時間。
清花さんの熱血指導のおかげで、見事隼くんは全体の半分の宿題を終わらせた。
お菓子とジュースを補充しに部屋を出ていった隼くんを見送り、参考書にルーズリーフを挟んで休憩に入る。
「透瑠くん、お疲れ」
「お疲れ様です。隼くん半泣きでしたね」
「ハハハ。ちょっと熱が入りすぎたかな」
隼くんは基本、口調も表情も穏やかで、感情の起伏は緩やかなほう。
だけど……今日ばかりは感情が無になっていた。
最初は何度か口を挟んでいたけれど、清花さんの圧にやられてだんだん口数が減っていったんだよな……。
「ただいまー」
「あ、隼、あと宿題どれが残ってる?」
「えーと……読書感想文と自由研究と、数学のプリントかな」
「そう……読む本と研究テーマは決まってるの?」
「いや、まだ」
「……」
隼くん、危機感なさすぎだよ。清花さんうなだれちゃったじゃん。
ルーズだけど、成績は悪くないんだよね。
ただ、計画を立てるのが苦手なだけなんだよね。