小動物な後輩君の愛が深すぎる
顔の温度が上がっていくのを感じ、下を向く。
黙ってたら怪しまれるって。早く何か言わないと。



「え……まさか相手って……」

「っ、俺トイレ行ってきます……!」



隼くんが言い終わる前に急いで部屋を出てトイレに入った。

あぁもう、今ので絶対バレたって……。



あれから10分くらい経っただろうか。

部屋に入るのが怖くて、今トイレのドアの前でしゃがみ込んでいる。


どうしよう、あんまり遅いと心配されちゃう。でもどんな顔していいか……。



「透瑠くん……」



ぐるぐる考えてたら、いつの間にか清花さんが目の前にいた。



「大丈夫? 部屋寒かった?」

「いえ……」



あぁまた顔熱くなってきた。穴があったら入りたい。



「隼、悪気があって言ったわけじゃないから心配しなくていいよ」

「わかってますよ」

「……ごめんね、正直に言えば良かったね」

「俺が早く言えば良かったんだから、謝らないでよ!」



自分の臆病さに腹が立ち、声を荒らげてしまった。
< 102 / 236 >

この作品をシェア

pagetop