小動物な後輩君の愛が深すぎる
隣で清花さんがプルプルと肩を震わせている。
きっとブカブカの服を着た俺を想像したんだろう。

また心の中で「可愛い~」っていじってるな。

もう……子ども扱いしないでよ。



「清花はどーする?」

「さすがに私は帰るよ。あとは男ふたりで楽しんで」



だよな、帰るよな。……ちょっと寂しい。



「オッケー! 透瑠、久しぶりに一緒に風呂入るか!」

「お断りします」

「冷たい! 兄ちゃん寂しいよ!」



宿題をしまくって頭がバグったのか、隼くんのテンションがいつもより高い。

……今夜は夜更かしすることになりそうだ。


彼女を見送った後、お風呂を済ませ、再び勉強に取り組む。



「透瑠は偉いよな、昔から勉強頑張ってたもんな」

「勉強しか取り柄ないですから。それに姉ちゃんのこと反面教師にしてたので」

「そうだったな……あいつも清花に教わりながら必死で宿題してたっけ……」



宿題をしながら、「懐かしいなぁ」と遠い目をする隼くん。

もうすぐ3年か……。



「始業式終わったら、清花と家に寄るよ」

「うん。ありがとう」
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