小動物な後輩君の愛が深すぎる
のほほんとした隼くんのことを『見かけ倒し』と言い切ったほど、言葉遣いがハッキリしているらしい。

内面は清花さんに似てるけど、見た目の印象が違うから別の人か。ちょっと安心。



「一言で言うなら、透瑠みたいな小動物系の可愛い子かな」



小動物系……。



「あぁ、だから俺のこと可愛いがるんですね」

「別に重ねてるわけじゃねーよ?」

「わかってますよ。
それにしても見かけ倒しだなんて、隼くんが怒らないからってちょっと酷いなぁ」

「あぁ、まぁな……」



腹を立てていると、彼は悲しそうな顔で弱々しく笑った。



「……すみません、隼くんの好きな人なのに」

「いいって、昔の話だし」

「……今も好きなんですか?」

「うん。でももう会えないからなぁ……」



切なくて寂しそうな目。

遠くに引っ越していったのかな。
それとも連絡が取れなくなったのかな。



「またどこかで会えたらいいですね」

「そうだな……」



愛しそうに天井を見つめる彼に「きっと会えるよ」と心の中でそっと呟いた。
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