小動物な後輩君の愛が深すぎる




「夏祭り、彼女と来てたでしょ」

「え、見てたの?」

「うん。幸せそうな顔してた」



登校中、樹に夏祭りの話をぶっこんでみたら、案の定、フフフと笑って顔を赤らめた。

今頭の中には、大好きな彼女の浴衣姿が浮かんでいるのだろう。リア充め。


からかいに行こうとしたけれど、清花さんに『邪魔しちゃ悪いよ』と言われて、話しかけられなかったのだ。

まぁ、俺らも腕組んでたし、逆にからかわれる可能性もあったから、そっとしといて良かったかも。



「あ、今日智恵理さんの命日でしょ? 俺も一緒に行っていい?」

「うん。もちろん」



始業式の9月1日は、姉ちゃんの命日。

今日の放課後、隼くんと清花さんと待ち合わせして、そのままみんなで俺の家に行くことになっている。

樹も来るんならにぎやかになりそう。姉ちゃん喜ぶだろうな。



始業式終了後。

ロングホームルームで、先生から2学期の行事予定表をもらった。

9月に体育祭、11月に文化祭か。
これはわかるけど、この10月終盤の『仮装の日』って何だ……?
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