小動物な後輩君の愛が深すぎる
「透瑠、交換ノートだぞ。他人や家族には言えないことも書かれているかもしれない。それでも見たいか?」

「えっ……」



清花さんの隣に立ち、真っ直ぐ目を見据えて隼くんが口を開いた。

確かに、交換ノートは人に見せる物じゃない。

でも、そんな風に言われると、何か悩み事が書かれているのかと思った。



「……何が書いてあっても、受け止める覚悟はできています」



生前、時々苦しそうな顔をしていた姉ちゃん。
当時何を抱えていたのか、何に悩んでいたのか知りたい。

曇りのない目で答えると、予想してなかったのか、清花さんと隼くんが動揺し始めた。



「じゃあ……透瑠くんの気持ち全部聞かせてくれたら見せてもいいよ」

「気持ち?」

「うん。今すぐに話せってわけじゃないから、心の準備ができた時でいいよ」

「えっ、あの、一体どういう意味……」


「ご飯できたわよー‼」



再度問いかけようとしたが、母の呼ぶ声によって遮られてしまった。

どういうこと……?
覚悟できてるって言ったけど、それとは違うのか?

階段を下りながら頭を捻らせるも、最後まで腑に落ちる答えは見つからなかった。
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