小動物な後輩君の愛が深すぎる
その夜──。



「もしもし。樹、今大丈夫?」

「うん、どうした?」



樹に電話をかけ、紙切れの内容について聞いてみることに。

清花さんも隼くんもだけど、母さんに聞いても教えてくれなかった。

樹ならどうかなと思ったのだけど……。



「……ごめん、言えない。でも、気持ち伝えたら見せてくれるって言ってたよね?」

「それがわかんねぇんだよ」



気持ちっていっても何の気持ち?
姉ちゃんに対する気持ち? 親父や母さんに対する気持ち?



「んー……青石先輩に対する気持ちとか?」

「え? 清花さんへの?」



清花さんへの気持ち……だとすると、答えはひとつしかない。



「もしかして、告白しろってこと⁉」



好きって伝えるの⁉
いやいやいや、そんな勇気まだないって!



「まだそうと決まったわけじゃないけど、先輩なら受け止めてくれると思うし。黙って見てるうちに、先輩が他の人に取られてもいいの?」

「……それは嫌」



清花さんが他の人の彼女になるなんて……そんなの耐えられない。絶対後悔すると思う。

1年生のうちに伝えられるよう、覚悟を決めよう。
< 117 / 236 >

この作品をシェア

pagetop