小動物な後輩君の愛が深すぎる
『綿原さん⁉』

『青石さん!』



そこには、クラスメイトの綿原菫さんが、2年生の男子達に絡まれていた。


彼女は怜也くんの中学時代からの友人。

怜也くんと同様、体験入学で知り合ったけど、まだ挨拶止まりであまり話したことがない。


けど、今はそんなこと考えてる暇はない。

先輩達の間をぬって彼女の元へ駆け寄り、手を取って早足でその場から離れた。

教室に戻り、彼女と別れて席に戻ると、



『ねぇ、綿原さん何かあったの?』



お弁当を食べている怜也くんが心配そうな様子で尋ねてきた。



『あぁ……先輩達に絡まれてた』

『またか……』

『また? どういうこと?』

『……実は綿原さん、中学の頃から男子にモテて、よく絡まれてたんだよ。それもあってか、女子達から嫉妬されてさ……』



小さい声で説明し出した怜也くん。

本来は社交的な性格だったのだけど、人間関係が上手くいかなくなり、引っ込み思案な性格になってしまったのだそう。

現在心を許しているのは怜也くんくらいで、女友達と呼べる人はいないらしい。
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