小動物な後輩君の愛が深すぎる

そういえば、体験入学で初めて会った時、あまり目を合わせてくれなかったっけ。

男子だろうが、女子だろうが、本人は純粋に仲良くしたいだけ。
なのに全部裏目に出てしまう。

そりゃあ自信なくすよね……。







『あの……今日は助けてくれてありがとう』

『いえいえ。無事で良かった』



下校時間になり、綿原さんと一緒に帰ることに。
電車通学らしいから途中までだけどね。



『私……昔からなぜか男性に絡まれることが多くて。ずっと悩んできたの』

『そうだったんだ……綿原さん優しいから、もっとハッキリ断ったほうがいいよ?』

『そうだよね……でも私、強く言えなくて……』



弱々しく返事をした後、眉尻を下げた彼女。

ハッキリ言わないと気が済まない私とは違って、綿原さんは相手のことを考えすぎて、強く出られないタイプのようだ。



『うーん……それならせめて大声で助けを求められるようになるといいかな』

『大声か……頑張ってみる』

『あと、絡まれそうになったら早足で逃げる。とか……』
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