小動物な後輩君の愛が深すぎる
その直後、ハッキリと聞こえて、再び足を止めた。

この声……まさか……!

隼の制止も聞かず、声がしたほうへ走り出す。



『綿原さん‼』

『あ……青石さん!』



向かった先は、以前来たことがあった階段付近。

そこには、うっすらと涙を流す綿原さんと、彼女に馴れ馴れしく肩を組む先輩達が。

2度も怖がらせるなんて……許さない……!



『やっぱり主席入学の子だ~!』

『めっちゃ美人~!』

『ちょっと……離してください!』



助けようと近寄ったその時、先輩達に両腕を掴まれてしまった。



『テストも終わったし、みんなで遊ぼうよ!』

『お断りします。彼女を離してください』

『冷たいなぁ~。保健室じゃあんなに優しかったのに~』



するともう1人、階段の上から別の先輩が現れた。

この人、この前膝をケガして保健室に来てた……。



『……膝はもう大丈夫ですか?』

『おかげさまですっかり治ったよ』

『それなら良かったで』

『いや~、盛大に転んだかいがあったよ~!』
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