小動物な後輩君の愛が深すぎる
──ガラガラッ。



「「トリックオアトリート~」」


「キャ~! 可愛い~!」

「なでなでした~い!」



足を踏み入れるや否や、女子生徒達から黄色い声が上がった。

見渡すと、男子生徒は両手で数えられるほど。
このクラスは大半が女子のようだ。



「1年生? 可愛いね」

「あっ……ありがとうございます」

「女の子みた~い。よく言われない?」

「はい、たまに……」



先輩達の熱い視線を浴びながら、列の端からお菓子をかごに入れてもらって回収していく。



「うさぎくんこんにちは~! 可愛いね~!」

「おいビビらせんな。ごめんねうるさくて」

「いえ……」



女子達がキャッキャしているからか、男子達はわりと落ち着いている。

というか、少し呆れ気味?

きっと普段からも圧に押されてるんだろうな……お疲れ様です。


お菓子を回収して次の教室へ向かう。



「めちゃめちゃチヤホヤされてたね。さすが透瑠」

「いやそれ褒め言葉にならねーから」



移動する時に他の仮装者達とすれ違ったけど、思わず声が出ちゃうくらいクオリティが高かった。
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