小動物な後輩君の愛が深すぎる
もちろん、カチューシャをつけたり、顔にシールをはったりと、俺達みたいに軽い仮装の人達もいた。

もしかしたら、ガチめの仮装をしてた人達は先輩達だったのかも。



「院長、次の診察はどこにしますか」

「そうだねぇ、ここからだと1年生の教室が近いかな……」



教室に戻ろうと階段を下りていると、下から話し合う男女の声が聞こえた。

院長……? 診察……?


ひょこっと顔を出して、声の主を確認。

すると、医者姿の二人組と目が合った。



「こんにちは~! 出張動物病院で~す! お注射はお済みですか~?」



廊下まで響くぐらいの大きな声で挨拶をしてきた背高の男の人。

薄汚れた白衣に長い前髪で、濃いアイメイクをしている。

隣にいるのは、赤黒く汚れたナース服に、赤いアイシャドウを塗った女の人。


ってことは、もしかして……!



「あれ? 透瑠くんと樹くんじゃん!」

「その声……青石先輩ですか⁉」



先に樹が声を上げ、タタタッと階段を下りて先輩達の元へ駆け寄っていった。
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