小動物な後輩君の愛が深すぎる
「樹くんはクマなんだ。似合うね!」

「ありがとうございます! 先輩達は廃病院にいるお医者さんみたいですね! 怪しさがめちゃめちゃ漂ってます……!」

「ヤブ医者ですから☆」



語尾に星を飛ばすノリノリのヤブ医者に怖じ気つかず、興味津々の樹。

メイクが濃いからわかりにくいけど、隼くんの幼なじみだっけ。

んーと、名前が……。



「はじめまして! 清花ちゃんのクラスメイトの上川怜也です!」

「こちらこそ! 1年の山吹樹です!」

「……樹と同じく、1年の水沢透瑠です」



階段を下り、樹の後ろから顔を出して挨拶した。


そうそう、怜也くんって言ってたな。

それにしても、顔面強すぎ……。

元から華やかでハッキリしている顔立ちだから、メイクが濃いとインパクトがある。声もハキハキしててデカいなぁ。



「シャイなラビットボーイだねぇ~。可愛い顔を見せてごらん?」



「怖くないよ?」と手招きする先輩。

いやいや、そのメイクでニコニコしてたら余計怖いですって。

この医者は油断させた隙に注射を打ってくるタイプだ。
< 147 / 236 >

この作品をシェア

pagetop