小動物な後輩君の愛が深すぎる
予定より10分遅れて店番が終了。
教室を後にして、人気のない校舎裏へ。
「あぁ~っ、終わったぁ~」
ベンチに座り、凝り固まった体を伸ばす。
さっき、裏方でコーヒーを入れている怜也くんに菫が来ているのを教えたら、嬉しそうに手を振っていた。
怜也くんと一緒に菫のクラスの店に行きたかったけど、コンテストの準備で行けなかったので、今1人で休憩している。
お腹空いたな。もうすぐ12時だし、何か買いに行こう。
「青石さんっ」
「あっ、海先生!」
野菜スープを買いに並んでいると、後ろから海先生に声をかけられた。
隣には、黒髪から切れ長の目が覗く、少し厳つい顔の男の子が立っている。
「紹介するね。この子、従弟の波瑠磨。青石さんと同い年だよ」
「はじめまして。末松波瑠磨です。海くんがいつもお世話になっています」
「はじめまして。青石清花です」
似てるなぁって思ったら従弟だったんだ。
ハッキリした顔立ちの先生とは違って、波瑠磨くんは塩顔系のイケメンっぽい。身長と体格も似てるかも。