小動物な後輩君の愛が深すぎる
ギュッと目を瞑った直後、足音と共に聞き覚えのある声が。


あれは生徒指導の先生……と、怜也くん。

助けを呼びに行ってくれたんだ……。



「清花ちゃん、大丈夫⁉」

「うん……ありがとう」



怜也くんの顔を見た途端、安心して胸を撫で下ろした。

けど……まだ心臓がバクバクしてる。

もう1年以上経ってたし、大丈夫かなって思ったけど……ちょっと無茶しすぎたかも。







「元々は私がモルくんを見つけて、『一緒に写真撮ろうよ』って言ったの」

「渋々承諾して撮っているところをあの先輩達に見られて、『俺らも一緒に撮りたい』って言われたんです。
それで断ったらしつこくせがまれて……」



場所を変えてベンチに座り、何があったかを聞き出した。

なんてタイミングの悪さ……。
でも、2人ともケガしてなくて良かった。



「清花ちゃん、これからは何かあったら、周りに誰かいてもひとりで助けに行こうとしないで。さっきもあと少し遅かったら、大事になってたかもしれないから」

「……はい」



真剣な眼差しをした怜也くんにお叱りを受けて反省。

助けに行ったのが隼だったとしても、「無茶するなって言っただろ」って怒ってたと思う。
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