小動物な後輩君の愛が深すぎる


「あの……さっきの先輩達と何かあったんですか?」

「……うん」



菫と怜也くんが去った後、隣に座っている透瑠くんがゆっくり口を開いた。

以前公園で話した、保健殺到事件で揉めた先輩達だと伝える。


すると、透瑠くんはハァーッと溜め息をついて、



「無茶しないでよ……」



肩に顔を埋めてきた。



「ごめん。菫が涙目になってたから、いても立ってもいられなくて」

「だからって……あんな酷いことされた人達に歯向かうなんて危険過ぎるよ」



あれ、なんか背中に感触が……もしかして抱きしめられてる⁉
あと、いつの間にかタメ語になってるし。

透瑠くんがメイド姿だから、傍から見たら仲良しな女子同士なんだろうけど……。



「と、透瑠くん、ここ外だよ……」

「あっ、すみません!」



顔を上げた彼とバチッと目が合った。

ちょっ、そんな至近距離で見られたら……っ。



「……なに笑ってるんですか」

「ごめん……」
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