小動物な後輩君の愛が深すぎる
「……へっ?」

「もう着いたよ」



ボーッとしていたら、あっという間に別れ道に到着していた。


透瑠くんの顔見たからか、智恵理の夢を思い出しちゃった。


突然、学校じゃなくて、ポストで交換ノートをやり取りしたいと言ったこと。

健康管理に人一倍気を遣っていた彼女の頻繁なケガ。

よくノートを紛失したり濡らしたりして、新しいノートを使っていたこと。

やたら長期間、テーピングやサポーターをしていたこと。


今まで何度も夢に出てきたのも、もしかしたら、私に真実を伝えてほしかったのかもしれない。



「今日はありがとうございました」

「こちらこそ。写真ありがとね」

「もう無茶はしないでくださいよ?」

「はーい。わかりました」



「また明日」と透瑠くんに手を振り、背を向けて歩き出す。


やっと回復して、ようやく帰ってきたんだ。

まだ会わせたくない。まだ知ってほしくない。


だけど……大切な家族のことだから、いずれは全部話さないといけない。

……覚悟を決めなきゃ。
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