小動物な後輩君の愛が深すぎる

気が動転……? まさか、清花さんもあの人に何かされたのか……?

と、尋ねようとしたその時。



「実はね……私、智恵理がいじめに遭ってたの、知ってたんだ」

「え……?」



突然彼女の口から放たれた事実に驚きを隠せず、目を丸くした。



「亡くなったあの日から、ずっと話さないといけないって思ってた。けど……透瑠くんもご両親もボロボロだったから、話そうにも話せなくて。

でも、彼女に会って、ずっと黙ってたらダメだよなって気づいた。

透瑠くんが決心したんだから、自分も覚悟決めなきゃなって。なのに……」



「本当にごめんなさい」と震える声で頭を下げてきた。


急にケガが増えてきたと感じていたある日、清花さんは校舎裏で殴られている姉ちゃんを目にしてしまった。

先生に報告しようとしたけれど、彼女の親がこの辺りで権力者だったため、学校側が彼女に取り入っていたんだとか。


そのため、いじめていると言っても信じてもらえず、逆にこちら側が不利になるのではないかと思い、相談できなかった。
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