小動物な後輩君の愛が深すぎる
両親の前で正座している、40代後半ぐらいの男女。

その隣には、一昨日謝罪してきた彼女の姿があった。


なんでいるの? いつ来たの? 何も聞かされてないんだけど?

問い詰めたい気持ちをグッと呑み込み、母の隣に腰を下ろす。


そして──。




「この度は、うちの娘が申し訳ありませんでした‼」



スーツを着た彼女の父親が謝罪し、一家全員が頭を下げてきた。



「娘さんに……取り返しのつかないことを……っ」

「っ……顔を上げてください」



両親が話している横で、目の前に座っている涙目の彼女を見つめる。

謝るのはご両親じゃなくて、いじめた本人だろ。なんで黙ってるんだよ。



「……なんでいじめたんですか」

「ちょっ、透瑠」



制止しようとする母を無視して言い放つ。



「姉ちゃんがあなたに何をしたんですか? 理由を教えてください」



震える手でスカートを握りしめ、声を詰まらせながら彼女が口を開く。



「…………にも……何もしていません……全部……私が悪かったんです……」
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