小動物な後輩君の愛が深すぎる
もう、正直に答えたじゃん。

1年以上も前の話だし、憧れだって知ってるんだから、そんなわかりやすくシュンってしないでよ。



「って、そろそろ行かないと」

「あの……」

「ん? まだ何かあるの?」

「あ……いや、なんでもないです。じゃ」








1週間と数日後、クリスマスイブ兼、終業式の日がやってきた。

式と大掃除が終わり、成績表をもらって、今、帰りのホームルームが終わったところ。


教室を出て、生徒達の波に呑まれながら昇降口へ。



「あ、透瑠くん!」



校門へ向かっていると、自転車を押す透瑠くんの後ろ姿を見つけた。



「清花さん、お疲れ様です」

「お疲れ。樹くんは?」

「デートがあるって言って、急いで帰っていきました」

「あー、そう言ってたね」



横並びでワイワイ話しながら歩く。

先週、保健室で会った時の去り際、何か言いたげな顔してたのがずっと気になっていた。

追及されると嫌かなと思って、様子をうかがっているんだけど……何も言ってこない。
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