小動物な後輩君の愛が深すぎる
「ちょっおま……その格好で来たの⁉」
「一応コートは着てきた。似合う?」
「まぁ似合うけど……」
玄関のほうから驚く隼の声が聞こえる。
騒がしいなぁ。何話してるんだろう。
「やぁ、お待たせ!」
「っ……⁉」
聞き耳を立てていると、怜也くんが部屋に入ってきた。
緑のシャツにたくさんのお菓子を引っつけて、頭には星のカチューシャ。
もしかして、クリスマスツリーのつもり……⁉
一方、菫は……。
「あ! モルくんとおそろいだ~!」
「なんでよりによって先輩もトナカイコーデなんですか!」
頭にトナカイのカチューシャをして、茶色のニットワンピースを着ている。
トナカイコーデの透瑠くんを見るなり、満面の笑みではしゃぎ出した。
まさか動物かぶりするとは……クリスマスだから仕方ないか。ドンマイ。
一通り飾りつけが終わったので、着替えにこっそり部屋を抜け出す。
「モルくん! 一緒に写真撮ろう?」
「うっ……先輩香水つけてます? なんか甘ったるい匂いがします! 少し離れてください!」
「あ~ごめんね。苦手だった?」