小動物な後輩君の愛が深すぎる
興奮している菫と、拒否している透瑠くんの声を聞きながら、持ってきた服に着替える。
確か透瑠くん、昔から匂いに敏感で、何度か酔ったことがあったんだよね。
それ以来強い匂いが苦手らしい。
家で髪は軽く巻いてきたから、あとは色つきリップを塗って……よし、完成。
「透瑠くん、匂いに敏感だもんね」
1度深呼吸をして、にぎやかな声が聞こえる部屋のドアを開けた。
「清花⁉ めっちゃ可愛い!」
「そういう服着てるの初めて見たわ」
「お上品な服も似合うね~!」
「ありがとう……」
身にまとったのは、以前購入した白いレースのワンピース。
長袖だったから、長らくクローゼットの奥で眠っていたんだけど……。
パーティーをするという話が出て、ちょうどいいかなと思い、選んだのだ。
こんなにべた褒めされるなんて……ちょっと照れるなぁ。
「あ……どうかな?」
「えっ……と……」
目が合った透瑠くんにも感想を聞いてみた。
けど……呆然と立ったまま、言葉を詰まらせている。
あれ……? 予想してたのと違ったかな?
それか、リップ濃くなってた⁉