小動物な後輩君の愛が深すぎる
わ〜、久々のドヤ顔。
今年で3年生になるから気合い入ってるのかな。
なら、登校中に合流する日も増えるかも。
「あ、それ上川先輩のプレゼント?」
「そうそう。シンプルだから学校でも私服でも合うから便利なんだよ」
首周りに巻かれたストールを自慢する隼くん。
俺もラグ先輩からの白いパーカーを部屋着にしている。
まさか先輩のが当たるとは思ってなくてビックリしたけど……着心地が良くて、ここ最近ずっと着ている。
あ、先輩に言ったら大声上げて喜びそうだから内緒だよ?
隼くんと別れ、教室に入ると先に樹が登校していた。
口角を上げて、目を細めて、嬉しそうな顔をしている。
何かあったな?
「おはよう。何かいいことでもあった?」
「お! おはよう! バレンタインの日、デートすることになったんだよ~」
「へぇ、良かったな」
デートかぁ……。
バレンタインデーは難しそうだから、ホワイトデーにできたらいいな……なんて。
◇
「どれにしようかな……」
授業終わりの休み時間。
スマホとにらめっこして、ひたすらお菓子のレシピを調べまくる。