小動物な後輩君の愛が深すぎる
そっか……チョコレートだと溶けるよな。
教室暖房効いてるし、ドーナツとかの焼き菓子のほうが良さそう。
「青石先輩にあげるの?」
「う、うん……」
「ファイト! 透瑠!」
「そのポーズ恥ずかしいからやめろ」
可愛くファイティングポーズして……。
恥ずかしいと言ったけど、正直少し嬉しい。
よし! バレンタインに向けて、土日はお菓子作りだ!
◇
週末。
この前渡したカップケーキよりも、今回は気合いを入れて、ガトーショコラを作ることにした。
ガトーショコラは初めて作るので、親父に教わることに。
甘い物は得意ではないため、味見は両親に頼んだ。
「しっかり乳化させて」
「メレンゲは泡立て過ぎないで」
隣からアドバイスをもらいつつ、時々ドアの隙間から母の視線を感じつつ、作り続けること数回。
バレンタインデーの1週間前には、一からひとりで作れるようになった。
両親も絶賛してくれて一安心。
喜んでくれるといいな。