小動物な後輩君の愛が深すぎる
自覚した気持ち

「へぇ~14日はデートですか! さすがモテる人は違いますね!」

「青石さん、もう少し静かに」

「あっ、すみません」



海先生にクッキーを渡した後、保健室で先生のバレンタインの予定を聞いた。

大学生の時から付き合っている彼女と、オシャレなレストランに行くんだって。



「食事中、バラの花を持ってプロポーズ……なーんて」

「……そのつもりでいるよ」



沈黙の後、先生が静かに答えた。

えっ……まさか本当にプロポーズするつもりなの⁉



「みんなの海先生が……」

「いつから俺はみんなのものになったの」



去年、入学して保健委員になったのをきっかけに、先生と仲良くなった。

生徒に分け隔てなく優しく接する部分や、年下の先生にも敬語を使う律儀な部分に、純粋にかっこいいなと感動した。


ときめいたのは、菫と一緒に男子に絡まれて、助けてもらった時だったかな。

「何かあったら、いつでも相談していいからね」って優しい顔で言われて……大人の余裕に、包容力にキュンとしたんだよね。
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